
ゴールデンカムイのロケ地「北海道開拓の村」移築された旧青山家漁家住宅へ!網元と出稼ぎ漁師の暮らしや格差、巨大なニシン船、そして作中のロケ地を巡ります。
札幌市厚別区の「北海道 開拓の村」
前回、北海道大学の恵迪寮の話を書いて、力尽きてしまいましたが、見所が沢山です!
▽ 青春…恵迪寮(2026.6)
開拓の村は、大きく《市街地群、農村群、山村群、漁村群》と4つのエリアに分かれています。
村内のメインストリート《市街地群》では「馬車鉄道」が運行されています。(4月中旬〜11月)
明治・大正時代の雰囲気。

今回は《漁村群》に残る「網元の家」を振り返りました。
この夏、小樽、厚田…と、いかにニシン漁が盛んだったかを見てきたので、良い機会です。
大規模!「旧青山家 漁家住宅」
いやー、広い広い!
歩き進めると、奥に立派な「ニシンの家」が見えてきます。

明治から大正にかけて、小樽のニシン漁で巨万の富を築いた大網元・青山家の建物です。
↓「小樽 貴賓館(旧青山別邸)」の青山家です。
いわゆる「番屋(漁場建築)」です。
母屋、文庫倉、石倉、板倉など計7棟がまとまって、こちらに移築されました。
もともとは小樽市祝津にあり、母屋、ヤン衆(出稼ぎ漁師)の居住スペース、
見張台などが一体となった大規模な漁家住宅でした。

2つの玄関「網元とヤン衆」
明治時代からあった古い母屋は火事で焼けてしまい
1919年(大正8年)に2代目・青山政吉が母屋を再建した際、玄関を2つに分けました。

右側の玄関…親方・家族用。立派なひさしが付いたデザイン。
左側の玄関…ヤン衆用。むくりのある、やや簡素な造り。
左から入ると、漁師たちが寝泊まりする、吹き抜けの大部屋と土間へ直結しています。
初代・青山留吉や2代目・政吉、青山家の一族も実際にここで暮らしていたのかしら…?
ヤン衆たちの居住スペース

囲炉裏のある板張りの空間は、通称「ネダコ(寝床)」
『ゴールデンカムイ』の撮影にも使われた大広間です。
ニシン漁のシーズンになると、全国から集まったヤン衆たちがここで寝食を共にしました。
2階ロフトも合わせ、一人あたり畳1枚分のスペースに布団を敷いて、60人が雑魚寝〜!
春先の北海道の海はまだ、凍てつく寒さ…囲炉裏で濡れた作業着や草鞋を乾かしていたそうです。

親方の帳場と畳間
網元やその家族が商売を仕切っていた場所です。手前に敷かれているのは獣皮。(財力と権力を象徴)

網元や番頭は、格子に囲まれた「帳場」で、台帳やお金の管理、漁の指揮を行っていました。
「釜焚き作業」
当時のニシン漁は、食べる為ではなく「油」と「肥料」を製造していました。

大きな釜に水を張り、薪を燃やして、獲れた大量のニシンを茹で
専用の道具で絞って「ニシン油」と「ニシン粕(かす=肥料)」に分けました。

この「山」の中に「十」が入ったマークは、網元・青山家の屋号。読み方は「ヤマジュウ」

初代・青山留吉の名前が記された木箱が、ずらっと蔵に収納されていました。
「黒膳椀」や「八角皿」は「ハレの日の祝宴」や「来客」用食器だそうです。

大網元はニシン漁のシーズンの開始時や、大漁の際、地元の有力者などを招いて、大宴会を開きました。
そのため、こうした「もてなし用食器」が、いつでも使えるように大切に保管されていたんですね。
お米やお酒もいっぱい!


「廊下」(船倉・漁具倉庫)
漁期が終わったあとに船や櫓(ろ)などの大型漁具を格納していた、青山家専用の倉庫。

巨大な「ニシン船」
中には長さが約13メートル、幅が3メートル以上という巨大な2隻の船が!

こちらは明治44年建造。
「枠船(わくぶね)」というニシン漁の主力船です。

はい!他の番屋も見ていきましょう!
「旧秋山家漁家住宅」

青山家のすぐ近く明治・大正期に活躍した網元・秋山嘉七(かひち)の家です。
秋田県から北海道の羽幌(はぼろ)町へ移住し、3代にわたって漁業を営んでいました。

大正9年(1920年)に建てられた、この木造の漁師家(番屋)に
昭和53年(1978年)つまり…48年前まで、実際に家族がそのまま暮らしていたそうです。
秋山家がこの家を離れたあと、建物が「北海道開拓の村」へ移築・復元されました。

何百人もヤン衆を雇う超巨大な「大網元」だった青山家に対し、
秋山家は家族や数人の雇い手で漁を行う「中小規模の漁家」でした。
とはいえ、建物は立派で、当時としては裕福な暮らしぶりを今に伝えています。

『ゴールデンカムイ』聖地巡礼
北誠館(ほくせいかん)
《農村群エリア》に移築されている「旧田村家・北誠館・蚕種製造所」です。

『ゴールデンカムイ』で、土方歳三が拉致・監禁された
「阿寒湖周辺の養蚕農家」のモデルとして使われ
ました。
作中にも登場した、蚕のオスメスを見分ける「種繭雌雄鑑別器(しゅけん しゆう かんべつき)」です。

山本理髪店

巡査派出所

旧浦河支庁庁舎
家永カノが経営する「札幌世界ホテル」の外観に使われました。

『ゴールデンカムイ』は本物の歴史的建造物を使い、贅沢な空間で撮影した作品なんですね〜。
“不死身の杉本” 山﨑賢人さんが引きずられたソリ!

他にも、撮影に使われた建物は沢山ありますが、それはまた気が向いたら…という事で!
長々、お付き合い下さりありがとうございました。
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