夏の札幌 vol.10、藪半|小樽で「にしん蕎麦」
小樽の歴史を感じる木造の建物で、絶品お蕎麦と酒の肴が楽しめるという、老舗の名店へ。歴史的建造物の再生の物語と、粋な空間で頂くお蕎麦。そして、小樽と言ったら、やはりニシン───小樽全体が明治・大正時代の歴史を色濃く残す街ですが、こちらのお蕎麦屋さんもまさに ...
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小樽の歴史を感じる木造の建物で、絶品お蕎麦と酒の肴が楽しめるという、老舗の名店へ。歴史的建造物の再生の物語と、粋な空間で頂くお蕎麦。そして、小樽と言ったら、やはりニシン───
小樽全体が明治・大正時代の歴史を色濃く残す街ですが、こちらのお蕎麦屋さんもまさにそんな歴史を今に伝える空間となっています。
小樽蕎麦屋 藪半(やぶはん)さん
すごいクチコミ数!
歴史ある石蔵や回船問屋の邸宅を移築・融合させ、お蕎麦屋さんとして蘇らせたそうです。

籔半の店舗向かいの専用駐車場に車をとめます。
奥の建物は「旧衣斐(いび)質店」

ツタに覆われた風情ある石蔵(裏蔵)。この後ろに木造の主屋(店舗兼住宅)があります。
こちらは小樽育ちの文学者・伊藤整(せい)ゆかりの地。
衣斐質店に下宿していた親友・川崎昇との会話から、
イベント「小樽雪あかりの路」の由来となった初の詩集名が生まれたそうです。
奇跡の和風空間
純和風な風情あふれる入口です。

お店の奥にどっしりした蔵が見えます。

囲炉裏に板の間の客席、お客さんで満席で写真は撮れませんでした(´`;)
実はこちらは、3つの歴史的建物が融合した建築なのだとか!
① ニシン漁・祝津「御三家(三大網元)」の一角
「白鳥家」の重厚な石蔵
② 豪商「金澤友次郎邸(伍楽園)」の木材
座敷1904年(明治37年)に建てられた、北前船の豪商・金澤友次郎の邸宅の内部部材を移築。
「囲炉裏席」がある板の間には、厚さ10センチの縁側の杉板。
③ 古い「割烹料亭(日乃出)」の佇まい
もともと先代が保存・再生して使っていた古い料理店の風情ある意匠(デザイン)。
蔵の中も客席です。

💡 なぜこんな造りになったの?
奇跡の再建ストーリー
「小樽蕎麦屋 籔半」は1954年(昭和29年)、小樽駅前で開店。元々は、ニシン漁・網元「白鳥家」の建物を活用し営業していましたが、火事で焼失してしまいました。
幸いなことに「石蔵」だけは奇跡的に残ります。
ちょうどその頃、街の再開発で解体の危機にあった「伍楽園(旧金澤友次郎邸)」。
その価値を惜しんだ二代目店主が部材を引き取り、残された石蔵へ巧みに組み込み
1986年(昭和61年)、現在の姿へと生まれ変わらせました。
※ 「伍楽園」という名は、金澤邸(北前船の豪商の別邸)がのちに囲碁や麻雀などを楽しむ社交場として使われていたから。
なるほど…大富豪邸のハイブリッドなんですね〜。
今も、あちらこちらに小樽の歴史的建造物が変わらぬ姿を留めているのは
こうした建築美を「なんとか後世に残したい!」と敬意を持ち、手間と費用をかけて
維持し続けている人々がいるからこそだな、と感じます。
お品書きと名物「にしん蕎麦」
冊子風のお品書きの表紙には、夏目漱石の『吾輩は猫である』から
蕎麦の食べ方を描いた一節の引用が。

「蕎麦前(お酒と肴)」メニューが充実しています。
鰊の本場である小樽産ニシン。
愛おしいくらい柔らかなホロリと崩れるほどの鰊棒に煮でございます…
お品書きの文面も愛嬌があります(笑)

にしん棒煮 850円

柔らかく煮込まれた「にしんの棒煮」が丸ごと1匹。
お蕎麦は2種類から選べます。
* 地物粉麺(じものこめん): 北海道産の蕎麦粉を100%使用
* 並粉麺(なみこめん)
天とじ 地物粉(道内産)1450円

面白い畳み方の箸置き

箸置きの紙をひらくと、お店からのメッセージが。
お店が面する通りは、榎本武揚や石川啄木などの偉人たちが闊歩した「静屋(しずや)通り」
回船問屋の邸宅を部分保存した木造建築の落ち着きの中で「お蕎麦」を召し上がってください。
美味しそ〜(*´﹃`*)


途中で味変。
鰊棒煮を乗せて、一味を振りかけて「にしん蕎麦」に♪
小樽の貿易、ニシン漁の栄華、そして職人たちの美意識。
街が紡いできた歴史を感じながらいただくニシンのお蕎麦は格別です。
ごちそうさまでした。
▽ 榎本武揚とルタオと蟹工船(2024.10)
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